日本ファルコムの看板タイトルのひとつである英雄伝説シリーズの最新作。
空の軌跡から2シリーズ5作品を通して続く世界設定と、重厚なストーリーが魅力。デザインや雰囲気は、いわゆるキャラ押しのRPGですが、内容はしっかりしています。
グラフィックやモーションは最近のゲームに比べて一段劣る感はありますが、RPGとしてはかなりの良作。
前作でのストレスを感じた部分は解消され、格段にプレイしやすくなっています。
ストーリーRPGなので自由度はあまり高くなく、基本一本道の構造ではありますが、さまざまな趣向によって充実した作品に仕上がっています。
『続編』だから面白い、ストーリーRPGの真骨頂
良いストーリーとは何か、と一言で言い切れるわけではありませんが、
大きなポイントの一つとして「説得力」があると思います。
キャラクターの心情や行動、それらに「納得」できればどんな世界観でもどんなストーリーでも、面白いと感じるのではないでしょうか。
閃の軌跡にはそんな「説得力」をもつ要素が多くちりばめられています。
軌跡シリーズを通して舞台となっているゼムリア大陸、その中でも力をもつ巨大帝国『エレボニア』が舞台。
主人公が入学する「トールズ仕官学院」と特別クラスⅦ組のメンバーとの絆を描きつつ、エレボニア帝国の内情と、内戦が加熱していく様子を描いたものでした。
前作はかなり多くの謎を残したまま終わってしまったので、せめて何かしらのオチをつけてくれよと言いたくもなる、なんとも言えない複雑な心情でした。
本作では、多くの謎が明らかになりつつも、事態は急変していきます。
前作で築いた仲間との絆や、各地域をめぐって出会った街の人々との交流は、エレボニアという国そのものへの思い入れにつながっており、「続編」であることで、圧倒的に説得力が増しています。
軌跡シリーズは本作で7作目。
同じ大陸を舞台としていて、時系列でもほぼ同じ期間を描いているので、それぞれの作品につながる部分が多く、シリーズを通してプレイしているとグッと来る部分が多々あります。
本作に含まれている「外伝」には、あの人物も登場・・・!
単なる数字がついているだけの続編ではなく、世界観と時系列が綿密につながっているのが、本作最大の魅力です。
トワ会長も登場!
新要素の数々
『灰の騎神ヴァリマール』で、巨大ロボVS巨大ロボの豪快なバトルが繰り広げられる『騎神戦』。
新たな拠点となる母艦『高速巡洋艦カレイジャス』。
より強力かつ快適になった戦闘システム『戦術リンク』。
それらの新要素も、深くストーリーと結びつき、より説得力のあるストーリーへとつながっています。
圧巻の「騎神戦」
ビジュアルや、グラフィック、また対象年齢的にも人を選ぶゲームかもしれませんが、しっかりしたストーリーと、充実のゲームプレイで、RPG好きなら満足できる作品になっていると思います。
充実したストーリーRPGを探しているならお勧めの一本。
PS3に移植したHDエディションも出ているので、未プレイの方は是非シリーズ1作目からプレイしてみては。