『Stardew Valley』は素朴で温かみのあるドット絵で、農業や牧畜をしながら、自分の農場を大きくしていく農場生活シミュレーション。
また農業だけではない盛りだくさんの要素、自由度の高いゲームプレイが魅力の「オープンエンドカントリーライフRPG」となっています。
強い「牧場物語」リスペクト!
結局のところどういうゲームなのかと言えば、やはり思い出すのは『牧場物語』です。
牧場物語はずっと昔にゲームボーイでプレイして以来やっていなかったので、その後どうなったのは詳しくないですが、新鮮味を出すために、キャラクターデザインを一新したり、ファンタジー設定や冒険要素を付加した「ルーンファクトリー」など、脇へそれていった印象がありました。
昨年に3DS用に発売された最新作「牧場物語 3つの里と大切な友達」の公式サイトを見てみると、農場に牧畜、村人との交流、そして結婚といった要素がおおきく取り上げられています。
ゲームボーイ版では、結婚要素は無かったように思いますが、農場生活と、村人との交流が描かれていました。
そのうえで、改めて『Stardew Valley』を見てみると「牧場物語」へのリスペクトを強く感じることができます。
こう言ってしまうと、なんだか微妙に思えるかもしれませんが、思い返してみても「牧場物語」のようなゲームは他に思い当たりませんでした。
農場や牧畜など個々に深みのある多彩な要素がありつつも強制はしない、程よい自由度。
殺伐としないのんびりとした世界観。
心地よい自由を楽しめるのが「牧場物語」であり、本作『Stardew Valley』なのです。
しかも『Stardew Valley』はPCを基本に海外ではPS4やXbox Oneでもプレイすることができて、1500円と安価。
さらにβのようですが日本語にも対応したところです。
それだけで素直にお勧めできるタイトルです。
PS VitaやNintendo Switchでの発売も検討しているそうです。
リアルの中に垣間見えるファンタジー 独特な世界観
都会から田舎へ引っ越して農場で生活する、というのがどこか非現実的なようにも思えますが、「Stardew Valley」のもつ空気感はさらにファンタジックな雰囲気を醸し出しています。
ゲーム冒頭に登場する、主人公が働いているシーンや、バスでStardew Valleyへとやってくるシーンなどは、妙なリアリティを感じさせ、現実の世界の延長なのだということがわかります。
しかし、木々や風に風に揺れる草花の様子や、田舎町のもつ独特の空気はどこか幻想的。
さらには街はずれには魔法使い(!)が住んでいたり、妖精まで見えるようになって、現実と幻想が入り混じった独特の世界が生まれています。
いわゆる剣と魔法の世界ではないファンタジー感が、実に良い。
次はどんなことが起こるんだろうかと期待してしまうような、この独特の空気感が魅力の一つです。
変化していく毎日
昨日できなかったことが今日できるようになっている、ということが実感できるのは本当にうれしい。
現実の生活の中ではなかなか気づけないことなのに、ゲームの中では不思議と実感することができます。
昨日まいた種が芽を出したり、小道で木の実や花を見つけたりと、毎日ちょっとした変化に気づきます。
農場の草を刈り、岩をどかして、木を伐り倒し、農地を広げていくのも単純に楽しく、ほどよい達成感があります。
家畜小屋などの新しい建物を建てたる、新しいアイテムを見つける、ツルハシや斧などの道具をアップグレードすると、やれることや行ける場所がどんどん広がっていきます。
畑を広げてたくさん農作物を植えるれるようになると、如雨露での水やりだけで昼を過ぎてしまうなんてことも。
仕方がないので釣りをしたり、散策をしたりして夜まで時間をつぶしていましたが、スプリンクラーを導入すれば、朝起きたらもう水が撒かれていて、時間が使えるように。
小屋の入り口を開けて動物を放牧すれば、農地に生えた草を動物が勝手に食べてくれるので、餌やりの手間をはぶけるようになるなど、うまく自動化できるようなシステムが用意されているのが面白く、ついつい効率的な配置を考えてしまいます。
次の日には、どうなっているのか。明日はこうしようといった想像が膨らんで、もういい時間になってももう一日だけ、もう一日だけやろうとついつい止め時を失ってしまいます。
生活感のある町の住人達
農場の隣にある町ペリカンタウンに住む住人達は、妙にリアル。それぞれに名前があり、家があり、家族があり、仕事がある。日中はそれぞれ、趣味や仕事のために、家を出て、生活しています。
町の外を歩いていて意外なところで出会ったり、その人の趣味がわかったりするところも面白く妙なリアリティがあります。
ただ最初は、店の主人が買い物に出ていなかったり、苦労して仕事の依頼をこなしても、依頼した人物がどこにいるかわからず報酬を得られなかったりと悩ましい問題も。
プレゼントをしたりして、仲良くなると、部屋に入れてもらえるようになったりするのもおもしろい。
春に行われるイベント「フラワーダンス」では、ダンスのパートナーが必要になりますが、畑仕事に力を入れすぎたりして、親密度が低いと誰にもパートナーになってもらえず、隅っこで寂しくダンスを眺める羽目に。
仲良くなることで結婚することもでき、結婚生活や出産などのイベントも待っています。
あれこれ目移りする様々な要素
釣りも楽しい要素の一つ。
ボタンを押してカーソルを魚のアイコンの位置に合わせるシンプルなシステムですが、最初はかなり難しくなかなか釣れません。
時間帯や季節によって釣れる魚も変化するので、図鑑を埋めるべく、海に、川にと様々な場所を歩いて釣りをしているだけでも十分楽しむことができます。
鉱山ではクラフトに必要な様々な鉱石やアイテムが入手できますが、モンスター(!)が出現します。
鉱山は階層構造になっていて、下に降りるほどレアな鉱石が手に入り、敵も強くなります。
戦闘は、他の要素と違いライフの概念があり、ライフがなくなると倒れてアイテムやお金を失ってしまいます。
また、午前2時を過ぎると自動的に眠ってしまうため、引き返すタイミングも重要に。
爆弾や回復アイテムなども重要になり、まるで完全に別のゲームのように。
また、今後のアップデートとして最大4人のマルチプレイの導入を検討しているという話もあり期待が高まります。
MODも導入することができるので、機能やグラフィックなどを変更して遊ぶのも楽しいかもしれませんね!
やればやるほど、楽しみが増えていく「Starvew Valley」。
週末は農場で過ごしてみては。