ソラとウミのアイダは女の子が宇宙で漁業という独特な世界観の”漁猟アクションゲーム”。
いかにも”色物系”ではあるものの、全体としては良くまとまっていて個人的には好感触です。
原作・総監督を務めるのは「サクラ大戦」シリーズや「天外魔境」シリーズなどを手掛けた広井王子氏!
広島・尾道市を舞台とした「ご当地もの」コンテンツとしての面や、モンストのようなおはじき系アクションとしての面など、様々な側面で楽しめる、いろんな意味で新鮮なタイトルです。
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舞台は尾道!「尾道宇宙漁業団 女子部」の物語!
世界中の海から魚がいなくなってしまった近未来で、水産省が打ち出した”宇宙にイケスを作る”というぶっ飛んだ新計画のもと「尾道宇宙漁業団」が発足。
男女雇用機会均等法もあって「漁師にも女性を」との声を受け「尾道宇宙漁業団」に女子部が開設されることになったものの、漁師は男社会であり女性が入っていくには厳しい世界でなかなかうまくいきません。
そんな中、女子部の新部長として、候補生である女子部を率いることになるというストーリー。
色々ツッコミどころ満載な設定ですが、それとは裏腹にご当地ゲームとしては力の入った作りになっています。
物語の舞台となるのは広島・尾道市。
尾道市がゲーム開発に全面協力し、背景ロケーションはもちろん、実際にある町並みやお店がゲーム中に登場し、尾道を堪能することができます。
描かれるのは、漁業にまつわるたくさんの仕事やそこで働く人々、漁業界での女性の立場や、宇宙漁師を目指す候補生のメンバーの夢、女子寮での生活や問題などなど、ぶっ飛んだ設定にもかかわらずリアルさをもった人間ドラマに仕上がっています。
ストーリーパートでは、途中出る選択肢次第で候補生との親密度が変化したり、アイテムがもらえたりすることもあります。
方言女子好きは必見!個性豊かな「尾道宇宙漁師育成センター”女子部”」のメンバーたち
舞台が尾道ですが、女子部のメンバーの出身地は様々。
メンバーのほとんどが方言で、しかもLive2Dでグリグリ動きながらフルボイスで喋るのが新鮮です。
ただあまり有名声優を起用していないのも方言のためかもしれませんが、一部方言が胡散臭いのが気になります。
折角だから声優の出身地もうまく合わせられたらよかったのになと思います。
メンバーを宇宙漁に連れていくことで、カギを入手でき、一定数溜まるごとに「候補生ストーリー」が解放されます。
「候補生ストーリー」では各メンバーの趣味や悩みなど、それぞれの人物像をより深く知ることができます。
着せ替えやプレゼント送って親密度をアップさせるといった要素もアリ。
〇候補生のレベルアップと能力値
「候補生ストーリー」をみることで、各メンバーがレベルアップしていきます。
候補生にはそれぞれに属性が付与されているほか、能力値も設定されていて、主座攻撃力が高いメンバーや、HPが多いメンバーなど特徴も様々。
強敵に挑む際は、メンバー編成も見直してみるのもいいかもしれません。
”守護神”でおはじき系漁猟!
宇宙漁と聞いてどうするのかなと思っていたら、神社でお参りして”守護神”を降ろしてくるというこちらも良くわからない設定で、SFなのかファンタジーなのか、不思議な世界観です。
ゲームシステムの基本は「モンスト」のようなおはじき系。
”イケス”(ステージ)に現れる宇宙魚に攻撃することで”捕獲”し、最後に現れる”大物”を捕獲すればクリアです。
ボタンを長押ししながら横にスライドすることで、飛ばす方向を調整でき、指を放すと発射。
宇宙魚に”守護神”がぶつかるたびにロックマーカーがついていき、動き終わったところでロックマーカーがついている回数分、”主座砲塔”で攻撃します。
他の守護者にぶつかると、ぶつけられた守護者はそれぞれ”援護射撃”を発射。
うまくたくさんの守護者を巻き込むと一気に広範囲を攻撃したり、大ダメージを狙ったりすることができます。
”援護射撃”は、ロックマーカーを狙って攻撃する主座砲塔と違い、発射方向が固定なので位置取りも重要です。
攻撃の種類もレーザーやバルカンなど守護者によって違い、弾が貫通するかどうかによっても得意とするシチュエーションや敵の種類などが違ってくるので、いろいろ試してみるのも面白いです。
〇ブン
”ブン”は味方の守護神を”ブン回す”必殺技。
漁業の用語か何かなのかと思いましたが別にそうでもないようです。
攻撃を当てるたびに、各キャラクターの左にあるゲージが上昇していき、最大に達すると「ブン」が使用可能になります。
”ブン”が発動可能なキャラクターをタッチすると、”ブン”モードに切り替わり、指でぐるぐる回すと操作中のキャラクターを中心に、選択したキャラクターが回転し始め、触れた敵に継続でダメージを与えます。
”ブン”モードになると、画面左に”ブンナゲージ”が表示され、回せば回すほどゲージが上昇していきます。
一定時間回し続けることで「神激スプラッシュ」が発動。
周囲を回っている守護者が巨大化し、画面中を跳ね回って敵全体に大ダメージを与えることができます。
”ブンナゲージ”のスタック数に応じて威力が上昇します。
〇たたく
”ブン”を発動時に、さらにオマケで「たたけ!」が表示されるときがあり、スマートフォンを横から軽くたたくと、運次第でもう一度”ブン”をすることができます。
大吉が外れた場合でも回復アイテムなどがイケス上に発生します。
守護神
ガチャは守護神ガチャ。
八百万の神々を降ろしてくるという設定ではあるものの、日本神話の神々以外にも、オーディンやテュールといった北欧神話などの世界の神々も混ざっていてやや謎な世界観です。
最高レアリティ★5の排出律は3%と、他のタイトルに比べて大盤振る舞いな確率。
今のところ10連で引いても確率は変動しないようです。
〇神通力
守護者には一つずつ神通力(スキル)を持っていて、一定ターンが経過すると使えるようになります。
神通力は強力ですが、範囲や方向が決まっているものがあるので、こちらも位置取りが重要です。
〇2つの移動タイプ
守護神は「貫通」と「反射」の2つの移動タイプがありそれぞれ特徴や役割が変わってきます。
「貫通タイプ」の守護神は敵や味方を貫通して移動できるため狙った場所に移動させやすい特徴を持っています。
「反射タイプ」の守護神は、敵や味方に当たることで反射してしまうので、位置の調整は難しいですが、”敵と壁”や”敵と敵”の間などを何度も反射させることでロックマーカーをたくさんつけることができ、大ダメージを狙うのに向いています。
〇守護神の強化
守護神をレベルアップさせるには、守護神の強化を行う必要があり、強化用の素材とお金が必要です。
強化素材は各ステージをクリアすると確率で手に入れることができます。
他にも、レベル上限を上げる”限界突破”や、さらに能力を高める”進化”などもあり、それぞれ特定の素材を集めることで、さらに守護神を強化することができます。
【まとめ】意味不明で”新鮮”な世界観を楽しむ
「宇宙で漁業」という設定をどうまとめるのか、と気になっていましたが、世界観は意味不明ということでそれはそれで割り切る方向のようです。
ゲームパートもよくできていて、敵の攻撃を避けたり、うまくダメージを狙ったりなど、結構考えることが多く歯ごたえのあるゲームになっています。
尾道市協力のもと、実際の尾道のロケーションが登場するのに加えて、話の内容もリアルめで、登場するキャラクターもしっかり描かれているのが個人的には好感触。メインキャラクターだけでなく脇役がしっかりしているのが世界観をリアルにしています。
”方言女子”も今までになかったので新鮮。フルボイスなのもいいですね。声優のチョイスはやや謎ですが。
珍しく世界観やキャラクターに魅力を感じたタイトルです。方言女子の力かも。
スマートフォンのゲームの世界観にそこまで強い期待があるのかと言えば正直そうでもないですが、世界観や背景設定を楽しめないとゲームもうまく楽しめないというものです。
スマーフォンのゲームはガチャの都合上、たいていの場合”何かを召喚しないといけない”のでつじつまを合わせようとしても、似たような設定になってしまっているものが多いように思います。
ソラとウミのアイダではそのあたりは適当に取ってつけたような設定ではあるし、そもそもの”宇宙で漁業”という無理のある設定だとか、SFかと思っていたら”守護神”が降臨したりとか、しかも登場人物の誰もそれを疑問に思っていないところなどなど正直意味不明ではあります。
ロケーションや人間ドラマなどのリアルな部分とのギャップもあり、どう納得したものか難しいところではあるものの、なんだか許容してしまえるのは”新鮮さ”があるからかもしれません。
基本的に手軽なので、どこか好きになることができれば割と続けてしまうのもスマートフォンのゲームならではなのかもしれません。
▼そんなこと言ってたらアニメ化決定しました。
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