レビュー

『NieR:Automata (ニーア:オートマタ)』こだわり抜かれたストーリー演出。珠玉のアクションRPG【レビュー】

投稿日:2017年4月4日 更新日:

NieRAutomata

NieR:Automata (ニーア:オートマタ)』は独特な世界観と深く作り込まれたストーリー、爽快なアクションが魅力のアクションRPGです。
『ニーア オートマタ』は2010年に発売された「ニーア ゲシュタルト」「ニーア レプリカント」の後継作品。
ストーリーは前作と設定としては繋がっているものの話が直接繋がっているわけではないようなので、前作が未プレイでも問題なく楽しめます。
今回、制作はアクションゲームの匠、プラチナゲームズ。
前作でもあった三人称、サイドスクロール、トップダウンと目まぐるしく視点が変化するシステムも健在。
こだわり抜かれたストーリー演出と、スタイリッシュで爽快なアクションが魅力のアクションRPGです。

物語を中心としたクールなタイトル

様々な趣向が凝らされているゲームシステムは素晴らしく、ゲームとしてプレイしがいがあるのだけれど、それよりも、ストーリーを描くことに力がそそがれています。
システム先行ではなく、ビジュアルと世界観に好奇心を煽られながらストーリーが展開していくのを楽しむというのは、最近ではあまりなかったことで、どこか昔のRPGを思い出します。
ストーリーを見終わった後、どこか物足りなさを感じつつも、あれこれ考えているうちに、自分の中で納得する形に収まっていく感覚がありました。

デザインと演出はとてもクール。
チュートリアルからがっちり心をつかまれます。
周回することでストーリーを展開させる手法も面白く、オープンワールドマップをうまく生かして変化する世界が表現されています。

アクションも様々なアプローチが盛り込まれて面白く、収集要素などもあってRPGとしても十分楽しめる作り。
難易度はゲーム中に自由に変更できるので、アクションゲームが苦手な人は難易度を下げてプレイするのもアリ。
最高難易度では、被弾すると即死のハラハラしたゲームプレイが楽しめます。

吉田明彦氏のデザインに、プラチナゲームスが手掛けるアクション、哲学的なストーリー、美しい音楽、様々な要素がうまくまとまっている良作。
世界観やデザインに惹かれた方は間違いなく楽しめる作品です。

ただ、現段階ではPCへの最適化ができておらず、プレイできないわけではありませんが不具合は色々出ている模様。
特に気になったのは1920×1200の解像度でフルスクリーンにすると解像度が落ちてしまう、というもの。早い対応が望まれます。

ステキ過ぎるキャラクターデザイン

本作のメインキャラクターデザインは吉田明彦氏。
ゴシックな黒のドレスを纏い、顔には黒い目隠し、背には刀という女性アンドロイド「2B」。
あごのホクロや、スカートのスリットなど、細かい部分に妙にこだわりが見られ、さらにそれが美しいモーションで動き回るわけですから、吉田明彦ファンは必見です。

そのデザインからはゲームの世界観をイメージするのは難しく、相棒の少年のようなアンドロイド「9S」や、敵であるレトロなロボットのような機械生命体、木々の生い茂る廃墟となった世界と、どこかちぐはぐな要素が混ざりあい、独特な雰囲気をもった世界が出来上がっています。
一体どういう話が展開されるのか全く予想できない、その独特な世界観に好奇心をそそられます。
他にも本作には様々なキャラクターが登場。そのこだわりのデザインも必見です!

様々な手法でプレイヤーを翻弄するこだわりの演出

2足タイプにも変形できる飛行ユニット

2足タイプにも変形できる飛行ユニット

ゲーム中に搭乗する音楽はどれも素晴らしくマップを歩くのが楽しくなります。
キャンプの一角でシームレスに切り替わるオルゴール曲や様々な言語で歌われるヴォーカル曲など、細かなところにもこだわりが見られました。
ロックバンド amazarashi とのコラボ曲「命にふさわしい」はニーア:オートマタへの深い愛情と理解が感じられる名曲です。

本作の大きな特徴のひとつは、3人称視点からサイドビューやトップダウンと、プレイ中に変化するカメラの視点。
ロケーションにあわせてカメラ位置が変化するのは不思議な感覚です。
「飛行ユニット」登場時は、シューティングゲームに変化。シューティングパートの間も、縦、横、全方位と目まぐるしく視点が変化します。
敵から放たれる弾丸は画面を覆いつくし、まるで弾幕シューティング。

決しておまけではない激しい弾幕のシューティングパート

決しておまけではない激しい弾幕のシューティングパート

さらには、ミニゲームのようなハッキングパートもあり、しかもそれらが別々ではなく、戦闘時に次々に入れ替わり、プレイヤーを翻弄します。

ボス戦中でも、3人称視点での戦闘中に敵の弾幕攻撃が始まると視点が見下ろしに。さらに、敵の攻撃を受けてしまうとハッキング攻撃が開始され、ハッキングパートに移行!
ようやくそれをこなすと、すぐさま3人称視点に戻り再び激しい攻撃が始まる。
息もつかせぬ激しいバトルは必見です。

画面を埋め尽くす攻撃が襲い来る激しいボス戦

画面を埋め尽くす攻撃が襲い来る激しいボス戦

カスタマイズで広がるアクション

戦闘タイプの2Bは、二つの武器を装備することが可能で、弱攻撃、強攻撃の組み合わせでモーションが変化。
武器のタイプが変われば、また別のモーションに変化するので、自分に合った武器を探したり、敵や状況に合わせて武器を切り替えるのも面白いです。

能力をカスタマイズできる「プラグインチップ」。UIの表示などもチップで変更できる。

能力をカスタマイズできる「プラグインチップ」。UIの表示などもチップで変更できる。

キャラクターの能力を向上させる「プラグイン・チップ」は、「近接攻撃力アップ」などの能力向上チップの他、攻撃で衝撃波は発生するようになったり、敵弾が近づくとスローになったりするものもあったり様々。
チップ同士は合成して強化でき、キャラクターの能力を伸ばしていくことができます。
チップにはそれぞれセットするためのコストが設定されていますが、同じチップでもそれぞれコスト値が異なり、同性能でもより低コストのものをセットすればさらに能力の向上も可能。
チップは敵のドロップで入手することができるので、ハクスラのように理想のチップを求めて狩りをするのも楽しいです。
また、ハッキングが可能な9S専用のハッキング拡張チップもあり、ハッキングに様々な効果を付加することも。
マップを探索して、武器やチップを集めたりするのも楽しみの一つです。

深いストーリーを堪能できる「ニーア:オートマタ」。
他では味わえない体験ができること間違いなし!
世界観に魅力を感じられたならお勧めの一本です!


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