文明が滅び荒廃した未来を舞台に、イノシシやアヒルなどの姿をしたミュータント達が活躍する本格シミュレーションRPG。
独特な世界観を描く美しいグラフィックと魅力的なキャラクター、『XCOM』シリーズのような骨太な難易度のバトルが魅力の一本です。
開発は、『ヒットマン』や『PAYDAY』などのベテラン開発者が集うスウェーデンの開発会社 The Bearded Ladies。
なお、UI・字幕などは日本語にも対応しています。
荒廃した世界を探索する冒険譚
イノシシの姿をしたミュータント”ボーミン”と、その相棒であるアヒルのミュータント”ダックス”を主人公に、ミュータントたちの拠点”アーク”を支えるため、物資を求めて危険な地域である”ゾーン”を探索します。
ミュータントを狙う”グール”や、恐ろしい獣”ゾーンドッグ”。人類が滅びてもなお稼働し続けているロボットなど、危険に満ちた冒険が待っています。
Unreal Engineで描かれるグラフィックは美しく、”ゾーン”を歩いて探索するのも楽しいです。
よくしゃべるミュータントの仲間たちは、みんな純粋で、暗く暴力的な世界観の中での癒しの存在。
動物をモチーフにしたかわいらしいデザインもあいまって、シリアスな雰囲気のストーリーの中、楽しい空気を作ってくれます。
ワールドマップから解放されているエリアを選択することで、各エリアに移動して探索することができます。
ステージクリア方式ではなく、敵を無視して先のエリアに進んだり、倒せる敵だけを倒したりすることもできる自由な構成なのも面白いつくり。
敵の集団を避けてこっそり脇道を抜けたり、孤立した敵を音を立てずに倒したり、
使えるアイテムをかき集め、限られた物資やキャラクターの能力で状況を切り抜ける算段を考えたりと、世紀末サバイバル感がうまく描かれています。
メインとなるストラテジー部分は、なんとなくやっていると全く進めない高めの難易度。
メンバーの選定や、初期配置や敵の誘導の仕方、倒す順番などセーブ&ロードを何度も繰り返しながら、様々なアプローチを試す必要があります。
難易度設定は3段階あり、高難易度では、一手ごとにセーブされてしまう、より緊張感のあるバトルを楽しむことができます。
探索で見つけたアイテムで装備を強化!
ゾーンの中には、スクラップや宝箱など多くのアイテムが隠されています。
宝箱には、武器や防具などの装備が入っているほか、アーク内にある”イリディアの店”には、スクラップと交換で装備やアイテムを手に入れることができます。
頭と体に装備できる衣服は、見た目だけでなく特殊な効果が付いているので、敵に合わせて装備を変えることも重要です。
レベルアップではキャラクターの能力は上昇しないため、ダメージをアップさせるためには、武器を交換したり改造する必要があります。
武器ごとに2カ所セットすることができる、アップグレードを手に入れると、射程距離やクリティカルダメージをアップさせたり、武器に炎や電気などの特殊効果をつけたりすることができます。
ミューテーションで新たな能力を覚醒!
バトルに勝利することで、チームがレベルアップし、全員にスキルポイントがもらえます。
ミューテーションでは、スキルポイントを消費して、キャラクターを変異させ、ライフなどをアップしたり、特殊な能力を開花させることができます。
肌を硬質化させて1ターンの間無敵になるスキルや、背中から羽根をはやして高所に移動するスキルなど、キャラクターによって能力は様々。
スキルは、一定数敵を倒すことでリチャージされるので、スキルに頼った戦い方はできず、ここぞという時にしか使えませんが、起死回生の一手になることも多い、戦略の要です。
全体的にクオリティが高く、世界観やストーリー、探索、戦闘など満足な出来。
オススメの一本です。