10年の製作期間を超え、昨年11月29日にPS4でついにリリースされた『ファイナルファンタジー15』。
2018年3月7日ににはPC版である『Windows Edition』が発売。
「無料アップデート」をすべて適応し、「6つのDLC」、新マップや、クルーザーなどの要素が追加される「ロイヤルパック」、ゲームプレイを助ける「特典アイテム」がすべて盛り込まれた完全版。
最大8Kまで対応という驚異のグラフィックに、一人称視点でのバトルなどPC版ならではのゲームプレイを楽しむことができます。
すでに多くのレビューでも書かれているように、悪い部分も目立つタイトルではあるものの、シリーズのどのタイトルにも似ていない「新しいファイナルファンタジー」になっていると感じました。
4人との旅
『FF15』は、一言で言ってしまうとノクティス達、4人の旅を楽しむゲーム。
主人公であるノクティス、友人兼護衛のグラディオラス、イグニス、プロンプトの4人が、好きになれるかどうかがほとんどすべてといってもいいでしょう。
当初発表されたときには「イケメンが4人でオープンカーで旅をする」という絵に正直これはどうなんだと思いましたが、実際にプレイしてみるとこれが本当に良く作られています。
話し言葉や話題など”今風”な感じに描かれていて、リアルなビジュアルやファンタジーより現実世界に近い世界観など、も相まってものすごくリアルな存在に感じることができます。
道中は常に会話が発生し、ロケーションや天気など周囲の状況に合わせて自然に会話が流れたり、それぞれの趣味である釣りや写真が”スキル”になっている部分なども面白いです。
ファンタジー世界で、ドワーフやエルフたちと森の中で焚火を囲むキャンプは違和感なく見れてしまうのに、今風の青年が折り畳みのテーブルやいすを並べたり、スマホでゲームをしたりしているキャンプシーンは妙なシュールさがあり、笑ってしまいます。
リアルな人物に加えて、ゲーム的な部分や、RPGにおけるお約束のような部分が混然一体となってシュールな笑いを誘いつつも独特な世界観を作り出しています。
続けているうちにいつの間にかキャラクターが好きになっています。
忘れてはならないのは、声優の演技。
ノクティス役には鈴木達夫、イグニスに宮野真守、グラディオラスの三宅健太、プロンプトの柿原徹也。
常に会話が流れているだけに、声の演出効果が非常に大きく、さらに今風の話し言葉なので、言い方次第でニュアンスが大きく変わってしまうところもあり、声優の力を感じさせられるシーンが多々ありました。
わかりやすくなったシナリオ
気になるメインシナリオは、コンセプトが明確になったのもあり、過去作に比べるとかなりシンプルでわかりやすいものになっています。
ファイナルファンタジーはいつからか「何を言っているのかよくわからないストーリー」が基本のタイトルになっていて、「パルスのファルシにルシにされてコクーンのファルシにパージ」と言い出したところでプレイヤーも、実はついていけてないな、と気づき始めました。
このあたりFF15は人物の設定や、後半の展開など気になる点は多かったものの、ここ最近のFFに比べるとクリアした時には達成感と感動がありました。
充実のオープンワールド
マップはオープンワールドで、バトルやダンジョンなどもシームレスに移行します。
愛車「レガリア」での移動や、キャンプシステム、釣りや写真、豊富なサブクエストなど、様々な要素が盛り込まれており、各地を散策するのが楽しい作りです。
飲食店や商店などの店内も細かく作られており、「旅行」している感じが出ています。
特に宿泊時に、それまでの行動を勝手に写真にとっておいてくれる写真システムは素晴らしく、演出にも大きく貢献しています。
ストーリーを補足するDLC
DLCでは、グラディオラス、プロンプト、イグニスのそれぞれのサイドストーリーを見ることができます。
それぞれのキャラクターを操作して進むことができ、ステージなどの仕掛けも凝っていて本編とは違ったプレイを楽しむことができます。
ストーリーは、ノクティスの視点である本編では語られなかった裏側のストーリーで、それぞれの人物像をより深く知ることができ、本編に深みがでるいい出来。
これも本編に含まれていてもいいんじゃないのかと思わなくもないですが。
マルチプレイミッションが楽しめる『戦友』では、王の剣の生き残りとなって人類のために戦う番外編で、討伐や防衛などのクエストをクリアしていく、マルチプレイPVEモード。
自由なキャラメイクが可能で、様々な衣装でオリジナルのキャラクターを作成することができます。
マルチプレイ可能になった爽快なアクションと、プレイヤー次第で自由に性能を変化させることができる武器の強化システムで、本編クリア後もまだまだ楽しめるコンテンツです。
【まとめ】これまでにない新感覚のRPG
「ファイナルファンタジー」らしくもあり、それでいて全く新しいRPGともいえるタイトルで、十分満足な出来。
メインシナリオはもちろん、オープンワールドの生かし方だとか、お使いめいたサブクエストだとか、見せ方が足りない部分も多くあります。
それでも『FF15』で描かれる”男4人の旅”は共感できる部分も多く、ゲームではこれまでに見たことがない不思議な体験だなと感じました。
様々な修正や追加コンテンツを含めてようやく完全版といえる形なので、そこは残念でもあり、発売日にPS4版を購入した人が怒るのも無理はないと思いますが…。
グラフィックレベルも高く、一度最高レベルのグラフィックでプレイしてみたいものですね。
RPGとしても純粋に楽しめる出来なので、未プレイの人は一度プレイしてみては。
DLCを含むすべての要素が追加されたものが『Windows Edition』、PS4なら『ロイヤルエディション』それに当たるのでおすすめです。
なおWindows Editionはかなり様々な追加要素があるので予算があればぜひ!