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「アナザーエデン」第一部クリア後に振り返って思う、欠けている3つの「愛」【コラム】

投稿日:2017年8月19日 更新日:

アナザーエデン 時空を超える猫

画像出典:アナザーエデン公式サイト

この記事にはややネタバレが含まれます。

前回「「アナザーエデン 時空を超える猫」(アナデン)第一部をクリアしてみたので改めてレビュー!」で記事を書きましたが、最近スマートフォン向けRPGとして配信中の「アナザーエデン」が楽しいです。
ただし今回はメインストーリークリアまでプレイしてみてどうしても気になった部分を今回はやや辛口に書いていきます。
世間の評判もいいようなので、アナザーエデンのファンの方には先に謝っておきます。

「おもしろいRPG」を謳ってリリースされた「アナザーエデン 時空を超える猫」。
プロデューサーの高大輔氏のコメントからも分かるように「自分がプレイしたい理想のRPG」を目指して作られたことがうかがえます。ゲーム中にもそんな「RPG愛」を感じられる部分が盛り込まれていて、「RPG好きが作っている」という実感はRPGファンとしてはうれしくなる部分です。

でも、だからこそ、どうしても気になってしまうのです。
ここでは「アナザーエデン」に欠けている”3つの「愛」”について書いていこうと思います。

ストーリーへの「愛」

普通の青年だった主人公アルドが、「時空の歪み」を介したタイムトラベルの旅へと巻き込まれていくというストーリーですがRPGファンとして特に辛いのはストーリーが「雑」なこと。
面白い面白くない以前にものすごく「雑」に感じます。それもメインストーリーが。

いくつか気になったところを挙げてみます。

忘れられた妹の存在

アナザーエデン 忘れられた妹

かなり序盤で妹のフィーネがさらわれてしまう

魔獣王にさらわれた妹を追いかけていくうちに、時空の歪みに巻き込まれて未来に行ってしまうという悲劇的な展開にもかかわらず、未来に行ったアルドはもう妹のことをほとんど心配しておらず、未来で起こる事件に没頭していきます。
思い出すのはもっとずっと先の話。
サイドクエストなどで人々を助けていく中でアルドの人柄が見えてくるのはわかりますが、割とどうでもいい話でもアルドのほうから声をかけていくのを見ていると、「もっと妹心配しろよ!」と思ってしまいます。

メインキャラクターの扱い

アナザーエデンではメインシナリオにそって順にキャラクターが仲間になっていきますが、仕様上、一つのチャプターに一人キャラクターを登場させることにしたから入れました、という程度の設定しかなく、ほとんど居ても居なくてもいいようなキャラクターになってしまっています。
本来はストーリーに深くかかわっているはずのメインキャラクターですが、内容にはほとんど関わってこないため、実際なんのためにいるのかよくわかりません。主人公のアルドですら基本的に流されて動いているので、「誰でも助けるいいヤツ」くらいの認識しかなく、どういう人物なのか今ひとつわからないままです。

クロノトリガー、クロノクロスのオマージュ

「クロノトリガー」のカエルオマージュであろうメインキャラクター一人「サイラス」。容姿を生かしたボケ担当。全く意味のないキャラクターになってしまっている。

「クロノトリガー」のカエルオマージュであろうメインキャラクター一人「サイラス」。全く意味のないキャラクターになってしまっている。

両作のシナリオを手掛けた加藤正人氏を本作のシナリオに起用していたり、さらに「時間移動」という同じテーマなのであれば、両作のファンはどうしたって期待してしまいます。
しかし「アナザーエデン」の雑なストーリーに気づいてしまうと、そもそもこれを作った人たちは本当に「クロノトリガー」や「クロノクロス」をプレイしたことがあるのかとすら思ってしまいます。
ゲーム中に登場するオマージュをみても微妙な気持ちにしかならず逆効果に。

アルドの腰に下げている剣「オーガペイン」も良くわからない要素のひとつ。

アルドの腰に下げている剣「オーガペイン」も良くわからない要素のひとつ。

とにかく説明不足で、今なんのために戦っているのか、何が目的でどうやって解決しようとしているのかが、終始ぼんやりしたままストーリーが進んでいきます。最後のシーンだけ音楽を流したりそれっぽいセリフで誤魔化し、肝心の核心の部分に触れないまま話が終わってしまうこともあり、「それでどうなったの?」と戸惑っているうちにもう次の話に。

やはりRPGは「ストーリーを体験するもの」
納得できないまま話が進んでいっても、そもそも何のために冒険しているのかがわからなくなってしまい、それはもうRPGとして成り立っていないように思うのです。誰が見ても感動できるようなすごいのものとまでは望みません。けれど、せめてもう少し丁寧にやってほしかった

ストーリー演出や細かなキャラクターの演技なども、肝心のストーリーがおもしろくないのでかえって邪魔になり、さらにスキップすることもできません。いっそテキストをすべて抜いて想像で補わせるくらいのほうがいいような気さえします。
この雑なストーリーには「愛」を感じられません。

キャラクターへの「愛」

「アナザーエデン」におけるガチャシステムは、様々な時代の様々な人物が登場することで「時間移動」というテーマにも沿ったものになっていて面白いと思いました。この点は「クロノクロス」を彷彿とさせますね。
他のゲームでの「キャラガチャ」と違うのは、やはり「アナザーエデン」がストーリーRPGであるということです。そうなれば出てくるキャラクターにもストーリーが求められ、物語との関係も重要になってきます。

「死にキャラ」と「ハズレキャラ」

まず1つ目の問題は、レアリティ(★)によってキャラクターに能力差があり、★5なら最大Lv80、★4なら最大Lv60、★3なら最大Lv40と、弱いキャラクターをわざわざ使う合理的な理由が無いため、使われることのない「死にキャラ」が出てきてしまうことです。
レアリティが高いキャラクターが強いというのは理解できますが、「レベル制限」がある以上ダンジョンなどでの対応レベル以下のキャラクターは完全に使えなくなってしまいます。
折角たくさんのキャラクターが登場するのに、戦略的に生かすことができません。
時間さえかければ全キャラ★5になるとかではダメだったのでしょうか? クラスチェンジにも手間がかかるため、ガチャで★5のキャラを引く可能性があるというだけで、価値は保証されるような気がします。

そしてもう一つは「ハズレキャラ」。
「アナザーエデン」の売りの一つとして、個々のキャラクターに用意された「キャラクタークエスト」があります。
しかし、★3のキャラクターにはそのキャラクタークエストがありません。
当然、性能が低いため使われることもなく、キャラクタークエストも用意されていないこのキャラクター達は完全なる「ハズレキャラ」。24人(!)もいるこのキャラクター達がの存在がただただ悲しい・・・。

「アナザーエデン」にとってキャラクターは、ストーリーと双璧をなすメインの重要な要素であったと思っていましたが「アナザーエデン」からはキャラクターへの「愛」を感じることができません。

プレイヤーへの「愛」

先のキャラクターの問題も含めて、プレイヤーが喜べない部分はいくつかありますが、その一つが「アナザーダンジョン」です。
「アナザーダンジョン」では、レベリングや、クラスチェンジのためのアイテムを集めることができるいわばエンドコンテンツ的なシステム。

しかし、固定マップをひたすら周回するだけの仕組みで、面白味も一切なくただひたすら作業的にこなすだけ
コンテンツを長持ちさせる意図があるのはわかりますが、もっと他にやりようがあったのではないかと思えます。
たとえば、ダンジョンの構成を変えたり、それこそたくさんいるキャラクターを生かせるような作りにすることはできたはず。

さらに追加コンテンツであるシナリオでも途中「アナザーダンジョン」でポイントをためる作業が必要になります。
シナリオの先を見たければ面白味のない作業を我慢して一定時間こなさねばなりません。
これも、コンテンツの持続性ためなのは理解できますが、あからさまなやり方にげんなり。

わざわざシングルに特化して好きなようにプレイできるのが魅力のゲームだったはずなのに、何故我慢してプレイしなければならないのか。
「アナザーエデン」が目指すゲームというのはプレイヤーが何も考えず、ただ漫然と作業的にプレイするようなゲームなんでしょうか。
そこに「プレイヤーへの愛」を感じることはできません。

本当にこれでよかったのか

と、まあ色々言いたいことを書きましたが、「アナザーエデン」をプレイしていて強く思うのは「本当にこれでよかったの?」ということです。
「おもしろいRPG」を謳ったはずなのに、結局「グラフィックと音楽」「操作性」だけを売りにしたものになってしまっています。

「スマートフォンのゲームなんだからこんなもんじゃないの?」と言われれば、そうです。
先にあげたような、シナリオも、キャラクターの作りこみも、ひたすら繰り返すだけのレベル上げも、ガチャで強いキャラを引かないとプレイが辛いのも、「スマホゲー」という目線で見ればこんなものです。

でも、「アナザーエデン」が目指したのはそんな「スマホゲー」からの脱却ではなかったのでしょうか。
「アナザーエデン」が目指しているであろう「おもしろいRPG」「普通のシングルプレイのRPG」として現状を見た時、「スマホだからこんなもの」という「妥協」が出来てしまうのが不思議でならないのです。何のチャレンジもなく、何も思考させず、ただ漫然と繰り返させるだけになってしまうゲームが本当に面白いかどうかなんてプレイすれば(しなくても)すぐわかるような気がします。
「スマホゲー」から脱却し、シングルプレイに特化したはずなのに、まだ「スマホゲー」に囚われている、そんな印象があります。

「アナザーエデン」の世間の評価は高く、ダウンロード数も300万を達成して、TVCMも始まり認知度は上がっています。
しかし、根本的に問題を抱えていることは間違いなく、折角のいいゲームを台無しにするには十分すぎる材料です。
単純に作業量を増やすような更新ではなく、ダンジョンに工夫するなどのゲーム自体を楽しめるような遊びを用意し、さらにはレアリティに関係なくキャラクターを生かせるような仕組みを作って、それを少しずつアップデートしていけば逆にさらに良くなると思います。
今の人気で浮かれることなく、もう一度見直してくれればと願わずにはいられません。

 

これを読んだ方は「アナザーエデン」は散々なゲームだな!と思うでしょうが、多くの人が評価しているように良くできていることは間違いなく、先のレビューで書いた通り、個人的にも見どころあり好きなところが多いゲームです。
だからこそいろいろ思ってしまうんですよね。
それらはこんなものだと理解した上でプレイすれば納得いくのかもしれません。

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